岡山大学ジェンダーセンター

SRSに関する情報

性同一性障害(GID; gender identity disorder)

性同一性障害とは、身体的性別と精神的性別(ジェンダーアイデンティティ)が一致しない状態と定義づけられています。
岡山大学病院では、精神科、形成外科、泌尿器科、産婦人科がチームを組み、診療を行っております。

形成外科は主に手術(性別適合手術)に関わっています。以前は「性転換手術」と呼ばれていた手術です。 FTM(female to male)に対する乳房切除術、子宮付属器切除術、尿道延長術、陰茎形成術、MTF(male to female)に対する除睾術、陰茎切断術、造腟術などがあります。
他科と協力のうえ、これらの手術を施行しています。活動は、毎年、日本形成外科学会や性同一性障害研究会において発表しております。他施設と協議・討論することで、レベルの向上に努めております。

2014年12月現在、日本でガイドラインに沿って定期的に性別適合手術を行っている病院はいまだに少なく、国内での手術をあきらめ、タイなどの国外で手術を受ける方が多いのが実情です。 そのため、海外でGIDを診療している病院との情報交換を積極的に行うようにしています。

乳房切除術

乳房の垂れ下がりの程度や大きさにより、手術方法を選択します。
下垂が軽度であれば乳輪の周囲に沿って切開するので、傷あとは目立ちません。
乳房の垂れ下がりが強い、または大きい場合は、手術後の傷あとが目立つ場合があり、後日に修正手術が必要になることがあります。

※症状説明書はこちら(PDF)です。

尿道延長術

陰茎形成術を希望される方に必要な手術です。
皮弁で陰茎を作る際に(陰茎形成術)、陰茎の基部を男性の解剖学的位置に作るためには、女性の外尿道口(尿がでるところ)から前方に3cmほど尿道を延長することが必要です。
膣粘膜が尿道面になるように反転し(膣弁反転術)、膣弁を前方に牽引することで外尿道口が下方向から前方向に向きを変え、尿の出る方向が前方となります。

※症状説明書はこちら(PDF)です。

陰茎形成術

腕の皮膚(前腕皮弁)で陰茎を作るのが最もポピュラーであり、できあがりの形もきれいです。
マイクロサージャリ―(顕微鏡下手術)により血管をつなぎ、腕の皮膚を生きたまま移植します。
さらに腕の神経を陰核の神経とつなぐことで、知覚や性感を得ることも可能です。
延長した尿道(尿道延長術)に移植皮弁をつなぐことで、尿道を同時に作り、立って排尿ができるようになります。
前腕皮弁以外の部位(大腿皮弁など)を用いた陰茎形成術も行っています。

※症状説明書はこちら(PDF)です。

外陰部女性化術

会陰形成術
外陰部の女性化手術では、膣をつくらない“会陰形成術”を希望される方も多くなっています。
膣形成術にくらべて低侵襲であり、合併症発症リスクは低くなります。
入院期間は、膣形成術と同じ2週間になります。

※症状説明書はこちら(PDF)です。

造膣術

膣を作る際には(膣形成術)、性欲が生じる、興奮できる、自信が生まれる、満足できる、快適である、潤滑する、オーガズムが得られる、パートナーが満足できるなどを考慮する必要があります。
今日に至るまで、岡山大学病院では、会陰三角皮弁法、陰茎・陰嚢皮弁法、会陰・陰嚢皮弁法、会陰・鼡径皮弁法などを開発し、行ってきました。
2012年からは、腹腔鏡下での腸管造膣(S状結腸を用いた膣の形成)を開始しています。岡山大学病院ジェンダーチームによる安全で確実な手術が可能となってきたことで、皮膚を用いた膣形成術より、腸管を用いた膣形成術を希望される方が多くなっています。

※症状説明書はこちら(PDF)です。

手術料金

当院では、手術前に預かり金をお支払い頂いております。手術予定日の30日前までにお支払い頂きます。
 コンビニや郵便局での振込も可能です。
 クレジットカード・デビットカードでのお支払いを希望される場合は、窓口でお支払い下さい。

"預かり金"イコール"手術料"ではありません。
合併症が起きる、入院期間が予定より長くなる、高額の個室しか空いていない、といった場合は、預かり金に追加して料金を頂くことがあります。
逆に、預かり金の一部をお返しすることもあります。
また、料金が予告なく変更される場合もあります(料金は2020年7月現在のものです)。

※手術料金の詳細はこちら(PDF)です。

  • 乳房切除術
  • 尿道延長術
  • 子宮卵巣摘出術
  • 陰茎形成術
  • 造膣術
  • S状結腸造腟術
  • 乳房形成術(インプラント)

上記の手術に追加手術がある場合

  • 尿道延長術
  • 乳房切除術
  • 膣閉鎖術
  • ミニペニス形成術
  • 豊胸術
  • のど仏形成術

※入院中は予定表(クリニカルパス)を用いて、計画的に診療をおこなっています。

予定表(クリニカルパス)

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